先日、共同研究の中でジャーファーメンター(培養槽)をラボに導入しました。
微生物の培養は、試験管やフラスコのイメージを持たれるかと思いますが、
高密度培養など、産業化・大量培養にはこのジャーファーメンターが重要です。
高密度で微生物を培養すると好気性、すなわち酸素を要求し呼吸する微生物の場合、
細胞密度が高まると、酸素が不足してきます。
ジャーファーメンターは、無菌空気や酸素を導入することで、
高密度下での酸素不足を解消できます。
また、pHや温度など、対象の微生物を培養するための
最適条件を検討するのに必須です。
今回、10Lサイズのものを導入しましたが、
工業化に際しては、100L、1トン、更に大容量の
ジャーファーメンターを用います。
近年、微生物の研究は分子生物学の潮流を受け、
所謂、発酵工学的な研究に取り組む機会が減ってきたと
いう話があります。
メーカーも、
「実際の発酵メーカーでは、ジャーファーメンターを用いた培養を行う。
しかし大学の研究時代でこれを扱った経験のある学生が減ってきた」
という声も聞こえます。
微生物も生き物です。
彼らの潜在能力を引き出し、高密度化を図れるジャーファーメンター。
サラリーマン時代の前職では触っていましたが、久々に扱うことになります。
楽しみです。
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